bloody Mary

[ 血まみれメアリー(霜花落処) ]



 だいじょーぶ。

 水谷は言う。へらりと笑って、いつもを繕って、毎度。

 だいじょーぶ。

 そう、言うのだ。
 栄口はそれを信じてやりたかった。嘘でも本当にしてやりたかった。
 でも無理だった。
 目を逸らしたって、躰の痣は瞼の裏にこびりついて離れない。
 だから。

(お前の大丈夫は、あてにならないよ、水谷。)

 涙を見せない水谷の代わりに、栄口が溜息を零すしか、ないのだ。





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 20130317
〈それは友愛に報いるように。〉





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