恋の終着点

[ 涙→雨 ]



「………鈍感」

 そう言った海馬の顔は涙で濡れていた。
 なのに、海馬は笑ってて。

(その涙を、拭ってやりたいと思った)

 ―――けれどきっとオレにはそんな事許されなくて。

(笑わせてやりたいと思った)

 ―――でも、泣かせたのは紛れもなくオレのようで。

 海馬は何も言わず笑いながら泣いた。
 オレも何も言えず何も出来なかった。





 その涙は、いずれ雨になった。





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 20090703
〈そしてボク等は一歩も動けずに、ただ、〉





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