ぬいぐるみ
[ 言葉無き弱音 ]理由なんて無い。
とは言いつつ、もしかしたら淋しいだとか疲れていたとか理由はあったのかもしれないが。
ただ何となくそうしたいと思いつき。
したい事を素直に実行に移した結果がそれだった。
「お、おいっ、…海馬?」
ソファに座る城之内を背後から抱きしめる。
驚く声を城之内は上げるけど、俺は意に介さない。
ただただぎゅっと腕に力を込めて、城之内にくっついていた。
後ちょっとで良いから。
このままで。
―――誰かに縋りつきたい時だって、ある。
20070908
〈それは多分、こいつだから。とは、絶対絶対、言わないけれど。〉