君に遺す。

[ 疵 ]



「忘れて欲しくないから」

 そう言いながら。
 お前の中に己を遺す事を酷く躊躇っている自分に気づいてる。
 だってそれは何時か痛みを伴いお前を蝕んでいくはずのもので。

(あぁなのに。)

 残酷なほど自己中心的な俺だから。

「痛みに喘いで生きて」

 俺が居なくなったこの世界で。





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 20070922
〈諦めて。俺がお前を愛した、それが全ての終わりの始まりだと。〉





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