妖綺譚(あやかし-きたん)

[ 鬼子の探し物 ]



〈設定〉

原作と少々異なるところがあります。原作面白いので是非。
(  )の中の名前は敢えて原作のキャラに当て嵌めるならこれかなという目安程度のもの。

▼怪/ ayakashi /
 人と変わらない外見を持つものを甲種、それ以外、つまり人外の姿を持つ怪を乙種と分けられる。数は甲種<乙種。内閣府に公認されている甲種は国民の権利と義務を持つ。怪に人権を認めているのは日本のみ。
 その存在が認められたのは二十世紀半ば、欧州で乙種が最初に発見されたことに端を発する。研究の結果、人とは異なる遺伝子を持つことから”特異遺伝因子保持生物”と呼ばれ、日本では独自に”怪”と呼ぶ。
 世間にはその存在は秘匿されており各国の政府が知るのみで、一般に被害が出た際にも箝口令が敷かれる。とは言え都市伝説程度の噂にはなっている。
 政府が認知しない怪も多くいる。それは怪には人より遥かに秀でているという自負があるため、如何に政府が怪を容認する旨を提示しても人の下につくことを良しとしないからで、またその理由から人と交わることもあまりなく、更に怪には種の保存の意識が低いため長らく怪と人との子どもは存在しないものと考えられていた。だが数十年前、初の例外が政府に公認された。それが”ダブルブリッド(二重と雑種の造語)”である。


▼赤司(優樹)
 鬼と人のハーフ。甲種。初めての例外―――ダブルブリッド・ファースト。
 一六歳くらいから体の成長が止まっている。実年齢二六歳。両目で色が違うのは鬼と人との混血が原因と考えられる。髪が鮮やかな紅なのもその所為。鬼に化身することが可能。
 政府の秘密組織である怪専用対策本部である捜査第六課に所属。階級は巡査部長。とは言え、設立当初から他に同僚または上司、部下がいた試しはない。第六課は政府が管理するほぼ廃墟と化したビルにあり、赤司は主にそこで生活している。
 要請があれば捜査員として任務に乗り出すが、滅多に要請がくることはない。よって日頃は常に暇。将棋や読書に一日の大半を使う。酒を嗜むが、酒精は体内で意識的に分解できるため酔うことはない。五感が鋭敏で、日常ではあまりにも見えすぎたり聞きすぎたりするため半ば感覚を遮断している。
 人に媚びず怪におもねらない。それは怪としても人としても半端な存在であることを赤司が誰よりも分かっているからで、またそれゆえに強い自負を持ち続けなければならなかった。親に対しても他人と同じように接し、これまでできることは何事も一人でやってきた。ただ生後間もなく姿を消した鬼であった父親はともかく、赤司の異能を知りながらも一人で赤司を守り育ててきた人の母親にはそれなりの愛情がある。月に一度は電話を掛けている様子。
 政府に従属しているのは一人ではどうしても情報を得るにも限界があるため。つまりそこまでして得たい情報が赤司にはある。
 外見の幼さを利用して様々な中学高校への入学と卒業、または転校を繰り返している。学校の在籍期間はおよそ半年から一年弱。政府に属するのと同じで、一応意味と目的があるらしい。(その為政府の組織下に入る際に提示された「居住は都内に限る」という項目に反し一悶着するも、後述する火神との関係を築いたことと地方の怪を調査するという名目での遠征を認可させ、その項目の拘束力を弱めることに成功している)学校では常に『大人しく目立たず、成績も体力も言動も何もかもが平均の生徒』を演じているが、実際は暴君さながらの性格と明晰な頭脳を持つ。
 入学式に向かう最中、黒子に声をかけたことから、思いがけず黒子に目をつけられることに。
 火神とは彼が高卒の新米警官の頃に政府の橋渡しとして第六課へ出向してきた際、知り合いになる。人としては面白くからかいがいもあると評し、珍しく気に入っている様子。人に触れられることを恐れる赤司が、唯一触れることを許す人。火神の手料理が母親の作る料理と同じくらい好き。
 「こうき」という腹違いの弟(高橋)がいるらしい。


▼黒子(空木)・青峰(相川)・黄瀬(帆村)・緑間(大田)・紫原(八牧)
 とある地方(かつて人好きの甲種が人に混じって住んでいた地方。がそれを知る者はほとんどいない)に育った、怪と人とのクウォーター。彼等はそのことを知らないで育つ(それぞれの家族は当然知っていたが、ある程度の年齢まで教えないことにしていた)が、自分達はどこか普通と違うとは気づいていた。髪の色が普通と違うのはその為。政府無認可の甲種。
 黒子と青峰は幼馴染で、他の三人はばらばらに幼少期を過ごし、バスケを通じて小学校で五人全員が面識を持つ。中学が同地区であったため、中学は五人一緒であることを喜んでいた。
 赤司との出逢いは中学。赤司が黒子に気づき、黒子が赤司に近づいていったことで彼等五人と赤司との関係が始まる。
 それぞれが人にあるまじき力を持ち、それは主に身体能力値に表れている。


▼火神(赤川+山崎)
 緊急捕縛部隊に所属。二〇歳。若いながらも統率力・銃・戦略など多岐に渡る才を発揮し、いずれ部隊長になるだろうと言われている。
 嘗ては怪を嫌悪していたが、赤司との交流からその考えを変えた過去を持つ。赤司を弟のように思っており(自分の方が年上だよと赤司から何度も言われているが)、赤司のためなら政府の意向に背き動くことも吝かでないと考えている。が、完璧に政府に背を向けてしまうと赤司のためにならず、また彼を守ることもできないとも分かっているので外面的には政府の要望に背かない。二重スパイのような役割。赤司の目的を知る唯一の人間。
 赤司の学校の入学や編入の際、彼の偽造書類諸々を用意するのは火神の役目。また、都心を離れ地方の学校に行く時は火神との同居が絶対条件となっている。
 赤司には仲間が必要だと考えているため、彼に手を伸ばそうとする黒子達の存在に内心喜んでいる。
 赤司がほぼ家事全般に手を抜きがちなので、自然と主夫になっていった。週一回は赤司の住むビルに訪れては文句を言いつつ掃除し、食料を冷蔵庫に詰め、剰え料理を作ってやるという。それなんて通い妻。赤司はそれに呆れながらも笑って享受している。
 上司は氷室(浦木)。





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