待ってらんない

[ はっぴぃ・でぃ ]



 大晦日も。
 元旦も。
 バレンタインデーだって。
 俺は彼と一秒だって会う事はできなかった。

『それぞれ都合があるんだもん、しょうがないよ』

 そう言った遊戯君は電話の向こうで苦笑いしてたけど。
 まぁ、彼の恋人は俺達なんかより忙しいんだから、当たり前か。
 言う相手を間違えたな、と反省しながらも。
 まだ身軽に動けるのを活用しないでどうすると決断したのもその時だった。

「……唐突だな、おい」

 思い立ったら吉日だよ、なんて思いながら。
 ドアを開けて俺を見た瞬間唖然としながらそう言ったバクラに抱きついて。

「―――会いたかったんだよ。悪いか」

 ぶっきらぼうに言う俺に。

「べっつにー。ただよぉ」
「…何だよ」

 離れて顔を見ると。

「俺サマって、案外愛されてる?」

 ニヤニヤ笑うバクラにパンチ一発。

「はいはい、本当の事言われて怒んねぇの」
「うっさい! バクラのクセに」
「意味わかんねぇし」

 取敢えず上がれというバクラの言葉に甘えて家に入る。
 先を行くバクラの背に。

 ―――案外どころじゃ、ないから。

 そう心の中で呟けば。

「御伽ー」
「ん?」
「俺も愛してるぜ」

 思わず笑みが零れる。





 知ってるさ、そんな事。
 だから今日ここに来たんじゃないか。
 一年に一回の告白を聞く為に。

「あ、照れてるー?」
「うるせぇな、照れてねぇよ!」

 明らかに赤くなっているバクラの頬を突付きながら。
 俺は幸せに浸ってた。





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 20080229
〈「てゆーか家にいたなら俺んとこ来いよ」「えー」「えーじゃないし」「…ほい」「……へ」「いらねーの?」「い、いる」「喰ってみ」「……おいしい」「だろ」「…うん」「行った方が良かったか?」「ううん」「だろ」「うん、…ケーキ、ありがと」「どーいたしまして」 〉





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